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2013.07.01
Vol.65 〈下坐に生きる草むしり〉

4月25日。それは、ひとつのメルマガの記事から始まりました・・・。
致知出版社から送られて来たメールに目がとまり・・・
食い入る様に拝見しました・・・
群馬県は高崎市で株式会社 草むしり 代表取締役 宮本茂人氏の記事でした。

高崎はダルマで有名です。㈱草むしりの縁起ダルマには【知覚動行】【我武者羅】 と揮毫されていました。

 

その後、月刊誌【致知】の5月号の宮本社長の記事をむさぼる様に拝読し・・・
「これやっ・・・!」と、思わず小膝を叩きました。
即行、すぐさま、まったく面識もない宮本社長に電話し…「お出会いしたいのですが…
宮本社長のご都合をお聞かせ願えませんか?」と・・・
5月1日(水)の16時以降なら時間が取れると、云うお返事を頂きました。

私は約束の5月1日に群馬は高崎にブッ飛んで参りました。
時間より早く着きましたが…少しでも多く、宮本社長の話を聞きたいと思い
事務所らしき(笑)場所へ…「滋賀からやって参りました、至誠建設㈱の田中です!」
『あっ~~田中さ~ん、ご遠方をようこそ。。。』と、気さくに…それこそ十数年来の 知り合いかの様に…
『で!いつまで?(群馬に居るの)』「え゛っ???」(今回は1泊2日の予定でしたので…)
って、感じです。「明日には帰ります・・・」と…『じゃ、現場はどうしますぅ?』
「作業できる格好で来ていますので、じゃ明日お願いします。」と・・・
その日は、宮本社長が起業されるまでの(生々しい)お話を聞きました。


                         師匠の宮本社長と弟子の猪八戒

就職難と云われる時代。にもかかわらず3割の若者が3年以内に退職していく、そんな 時代だ。宮本社長は転職を繰り返す事回。人生に迷い、働く意味を探し求めていた。
そして希望の光とも云うべき、【草むしり】と云う、天職との出逢い・・・

『私の仕事はごくごく普通のご家庭のお庭に入れてもらって草むしりをする事です。
植木の剪定や枯れ木の伐採をさせてもらう事もあります。全国的にもそうだと思いますが ここ高崎市や隣の前橋市でも高齢は著しく、体力的にお庭の手入れができないお宅が 増えています。私は現在、前橋市の一地区、半径にして5㎞位を受け持っていますが この仕事を始めて以来4年間で530軒のお客様とご縁を頂きました。そのうち9割は 高齢者の夫婦または独居の世帯です。・・・ですから時にはお客様の話を聞く事が仕事 みたいな現場もあります。朝訪問してまず30分のお茶休息。
1時間仕事をしたらおやつ休息、お昼をお誘い頂くこともあります。
その分、集中して作業が進むわけですが、ひと息つきながら思うんです。
“あぁ~ありがたいなぁ~”って。私たちは福祉の資格を持っているわけじゃない カウンセリング能力だってない。でもこうしてお客様に、社会に必要とされる事が 存在価値を認められている様で、とてもありがたく思うんです。
当社はスタッフ5人のうち、4人が65歳以上ですが、みんな心身ともに元気でね。
お陰様で充実感を持って励んでくれています。今日も来てくれている竹内さんは69歳。
月に25日くらいは出てこられますし、今日は雨だから現場作業なしと云っても、他に 仕事はないかと出社されます。先輩方をみていると、日本人って本当に仕事が好きなんだ なぁと感心しますよ(笑)仕事が元気の源・・・人は人のお役に立つ事で、より元気に なれる存在なのかも知れないですネ・・・
お陰様でこの仕事はリピート率が9割近いので、年間の受注件数の見込みが立ちやすいんです。経営次第で“雇用”も可能ですから、竹内さんの様に社会貢献に汗をかきたいと云う高齢者の受け皿になれればと思っています。近頃は定年を65歳に定めたり、定年後も再雇用をして高齢者の力を活用する企業が増えて来ました。それでも平均寿命が約80歳の現代です。
体もピンピンしている方が多いので、高齢者の第二の活躍の場として、いっそう展開したいと考えています。
ただ、以前から高齢者を対象とした仕事を目指していたのではなく…高齢者社会にマッチしたのは結果であって、ここにたどり着くまでは本当に長い道のりでした。
と云うのも自分はこれまでに転職を8回しています。大学を出たものの働く意味が見出せず無職で家に引きこもり、うつ状態になったこともあります。
さかのぼれば、私の大学生活は【日本拳法】一色でした。
怖い先輩の下でどんなにつらくとも無心で続け、4年時には大学チャンピオンになれたのです。諦めなければ道は開ける。これは私の成功体験です。
その後、地元の長野県に戻って農協の関連団体に勤めましたが、そこには怖い先輩はいませんでした。抑圧から解放され、少しでもつらい目に遭えば、私にはもうそれを続ける理由がありませんでした。ですからちょっと嫌気がさした拍子に私はさっさと辞めてしまったんです。そんな調子で転職を繰り返し、4回目の転職先は26歳の時、大手ファーストフード店でした。負けず嫌いで根性だけはありましたので、すぐにお店を任せてもらえるようになり、数年後にはいくつかの部門で売上げ日本一を記録する事が出来ました。
“増収”“日本一”が私にとって仕事の動機でした。
そして40歳に差し掛かったころ、私は飲食店として独立開業すべく店長職を返上しました。
収入は申し分なかったのですが、雇われ店長としてストレスが多くたまった鬱憤を晴らす為に収入のほとんどを飲み代に費やす様な廃れた生活だったからです。
思えばこのころから私の仕事感は歪んでいました。
名誉やお金を得ても幸せはつかめない。努力しなきゃ没落するし、仕事したって苦しむんだもの。仕事をする意味がなんなのか、もう全然分かんなくなっちゃたんです。
結局、独立開業は失敗・・・勢いよく辞めたけど、もう仕事にかけるエネルギーが出てこなかったんです。
私は長野の実家に帰りました。いくつのアルバイトを渡り歩いたか。結局一つも定着しませんでした。転職と云うのは怖いものです。転職するたびに、私は打たれ弱くなっていった気がします。
その後、縁あって群馬県高崎市の飲食店に拾ってもらう事になります。
結果的にその店も辞めなければならなくなるのですが・・・
そんな時、知人が造園業の“草むしり”のバイトを紹介してくれたんです。
忘れもしません。43歳の11月です。
出勤初日。“もうここでくじけるわけにはいかない”私は玄関先で妻と子にそう意気込んで出勤しました。トラックに乗せられて現場に行くと、そこは高崎市内でも有数の名家でした。広いお庭をスタッフが手分けして剪定や伐根をしていきます。
私も草むしりをさせてもりました。
木枯らし吹き荒ぶ季節でした。でもね、僕の心と体はポカポカです。
お庭は見違える程、きれいだし、家主さんも喜んでくれます。お茶でもどうぞと労われ帰り際には報酬も頂く。初めてかも知れない。これが仕事だって思えたんです。
肩書きや給与額ではなく、お客様に自分の価値を認めてもらい、感謝され、そして報酬を得て妻子を養う。ころこそ私が求めていた仕事だって思ったんです。
いよいよ打ち込める仕事に出逢い・・・結果的には家族の生活もあってアルバイトのままではいられませんから、私は独立して【草むしり】を仕事にする事になります。
すでに44歳。遅咲きではありますが、ようやく天職に就く事が出来ました。
手当たり次第にチラシを配り、暗中模索しながら少しづつ受注して行きました。仕事を請ければ一軒一軒にお礼の手紙を出しました。
そしてアンケートも同封したのですが、忘れもしません。最初に返って来たアンケートに「もう二度とお願いしません」と書かれていたんです。二度と…ですからネ…
衝撃でしたね…落ち込みましたよ。でも不思議なんです。とっさにお詫びに行こうって思えたんですよ。それまでの私なら“もういいや”と諦めたと思うんですが、胸に覚えた仕事の喜びが私を突き動かしたんです。
菓子折を抱いて訪問しました。どうやら植木の仕上げに不満だったご様子。菓子折すら受け取って頂けませんでしたが、私の心に残ったのは“絶対這い上がってみせる”と云う気概みたいな感じでした。どんなにつらくても、そこに喜びややりがいがあれば何だって耐えられる。それが仕事の醍醐味ではないでしょうか。
4年目の昨年は、地元の中学校から「職場体験」の打診がありました。私は手を抜かないと決めていました。せっかく頂いた機会ですから、子供たちに仕事の本質を体験してほしかったんです。当日は雨でしたが、生徒もよくがんばってくれました。
ある生徒は「働くのは大変。でも気持ちいい」と云ってくれ、思わず“おじさんも仕事ってそう云うものだと思うんだ”と、うなりましたよ(笑)最近は色々な繋がりの中で、就職後すぐに離職した若者や失業された方が本当に研修に来られます。そこで私が大切にしている事、それは「粘り強さ」です。群馬の夏はすごく暑いんです。体感温度は40℃を超え、夏を超えるのはひと苦労ですが
社会で生きるってそんなもんだと思うんです。その過酷さを受け入れ、克服する粘り強さを得てほしくて、私も声をかけながら共に汗をぬぐいます。するとどうですか、ひと夏を超えた若者の目には自信がみなぎるんです。
かつて社会の落ちこぼれだった私にも夢があります。
それは独自に生計を立てられる【草むしりマイスター】を日本全国に1000人育てる事です。当社を働く意味を見出せない若者や定年後にまだまだ社会貢献に汗したい高齢者の研鑽の場として、人生の喜びを共に育んでいきたいと強く思っています。』と・・・

この感動に打ちひしがれるお話を聞き…翌日は現場に同行させて頂き、実際草むしりを手取り足取り教えて頂きました。。。

『ただ、一日やなんぞで…草むしりマイスターの資格はぁ…』と…宮本社長。
こちらも到底そんな事は思っておらず。
「いったん、帰郷し会社の段取りをつけてから再度、修行に寄せてもらいます…」と

 

で、会社の調整をつけた後、5月31日より18日間、群馬は高崎市に滞在し
【草むしりマイスター】取得に向けた厳しい修行に挑戦。
草むしりはもちろんの事…剪定・伐採・蜂の巣退治etc.


                               フラワーパーク現場で・・・


              松の剪定!特訓中・・・



             ギャルピースと違います…草むしり.comのロゴマークです。題して“薔薇と下坐行”


                        昼のいっぷく!ランチタイム・・・

草むしり・剪定・伐採・蜂の巣退治etc.



                     
最終試験にお陰様を持ちまして、見事合格…!(^^)!


                 日本一の草むしり軍団の仲間入りを果たす事が出来ました・・・。

そして本日、7月1日(月)を以て
【草むしり.com滋賀】として営業を開始する運びとなりました。

㈱草むしりの宮本社長はじめスタッフの皆さん…
ご心配をお掛けした、中央総研・山川先生、㈱タニサケ・松岡会長はじめ
関係各位の皆さんに心から感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

感謝合掌。



 
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